2025–26年版:個人ビジネス&中小企業向けWebマーケ・起業トレンド最新レポート
1. エグゼクティブサマリー
2025〜26年にかけての個人ビジネス/中小企業のWebマーケティング環境は、次の5つの大きな変化で特徴づけられます。
「ソーシャル×コマース×AI」が購買行動の主戦場になった
世界的に、ブランド購入前にInstagramやTikTokなどで情報収集する人は80%超、SNS上での直接購入経験者は約70%に達し、その3割は“見つけたその日に即購入”という即時買い行動にシフトしています。
日本でもソーシャル経由の購入経験者はまだ35.1%にとどまるものの、TikTok Shopの本格始動などで2025年以降の伸びしろは大きい状況です。日本のオンライン消費は「モバイル・高齢化・値ごろ感」で再編中
日本のEC市場は2025年に約1,905億ドル規模に達すると予測され、EC浸透率は85%・オンライン購入者数は1億人超えとされています。取引の7割以上がスマホ経由、世帯あたり月2.16万円をネット購入に使うようになっており、インフレ3%前後の中で「価格×利便性」にシビアな購買行動が鮮明です。国内中小企業のWebマーケは「低予算・ノウハウ不足・改善プロセス不在」が三重苦
日本の中小企業の58.5%が年間マーケ予算100万円未満で、実施施策はSEO・コンテンツ制作(27.5%)、SNS広告(19.5%)、リスティング広告(18.5%)などに偏っています。
一方で「Webマーケ全体に十分な成果を実感している」企業はわずか10%にとどまり、戦略・記事品質・改善プロセスの欠如がボトルネックになっています。AIは「一部の先進企業の武器」から「使える個人・小規模が勝つ」フェーズへ
マーケティング分野のAI市場は2025年時点で約473億ドル規模に達し、企業の92%がAIパーソナライゼーションを活用しているとされています。
日本の中小企業のAI導入率は調査により5.1〜42.3%と幅があるものの、生成AIを導入済みの企業の95%以上がChatGPTなどの生成AIを利用しており、導入企業の94%が効果を実感しているというデータもあります。
同時に、「用途がわからない」が最大の障壁になっており、具体的ユースケースの提示がコンサルタント側の重要テーマです。副業・ソロプレナーは「AI×専門性×ストック収入」へ進化
2030年までに日本の副業市場は1.5倍に拡大する見込みで、2025年のトレンドは「AIツール活用・専門職化・ストック収入」であると指摘されています。
20代の60%以上が「副業を前提にキャリアを設計」しており、副業理由のトップは追加収入(54.5%)・生活維持(38.2%)と経済的動機が中心です。
クリエイターエコノミー全体では、AI導入率が91%に達し、広告単発収入から「コミュニティ・サブスク・自社ブランド」に軸足を移す動きが顕著です。
2. ネット消費行動の最新トレンド(グローバル × 日本)
2-1. グローバル:ソーシャルコマースとAI検索が「新しいレール」
最新の消費者調査から見えるポイントは次の通りです。
世界の消費者の80%以上が購入前にInstagram・TikTokなどでブランドを事前調査し、約70%がソーシャル上で直接購入経験あり。
そのうち約30%は発見当日に購入しており、「発見と購入の距離」が劇的に縮んでいます。
HubSpotの調査では、ソーシャルメディアがZ世代〜X世代のプロダクト発見のトップチャネルとなっており、検索の一部がGoogleからSNS・AIチャットにシフトしています。
72%の消費者が今後AI搭載の検索(ChatGPTなど)を買い物に使うと回答し、その79%が従来の検索より良い体験だったと答えています。
これにより、ファネル設計は「SNSでの発見 → その場での購入/問い合わせ → AIで比較検討 → 再訪・再購入」と、かつてよりはるかに短い・分散したジャーニーになっています。
2-2. 消費者は「チャネルレス」な体験を求めている
2025年の消費者トレンドの分析では、次が強調されています。
企業の92%がAIによるパーソナライズを導入し、「セグメント」ではなく一人ひとりのための「セグメント・オブ・ワン」を目指している。
消費者側の期待も「マルチチャネルの便利さ」から、「どこで接触しても同じ体験がつながっている『チャネルレス』」へシフトしている。
オムニチャネルを高度に実装している企業は、そうでない企業に比べて顧客維持率が89% vs 33%、LTVが30%高いといったデータも報告されています。
つまり、個人ビジネスでも「SNSは集客だけ」「メルマガは販売だけ」と割り切るのではなく、すべての接点を一つのストーリーで貫く設計が必須になっています。
2-3. 日本のデジタル消費行動:モバイル&リサーチ重視
日本固有のデータを見ると、以下の特徴があります。
EC浸透率85%・オンライン購入者1億人超。世帯の53.5%がオンラインショッピングを利用しており、世帯あたり月額2.16万円をオンライン購入に使っている。
日本のEC市場は2025年に約1,905億ドル規模に達すると予測され、モバイルコマースが取引の70%超を占めています。
日本の消費者は、大きな買い物の前には必ずネットでリサーチするという回答がもっとも多く、「慎重だがデジタルに強く依存」という特徴を持ちます。
ソーシャル経由での直接購入経験はまだ**35.1%**にとどまり、55.1%は「SNS上で直接購入したことがない」と回答しています。
3-2. Web広告市場と規制環境
電通の調査によれば、日本のインターネット広告費は2024年に**3兆6,517億円(前年比+9.6%)となり、総広告費の47.6%を占めています。
2025年のインターネット広告媒体費は3兆2,472億円(+9.7%)まで伸びると予測され、うち動画広告は9,677億円(+14.7%)**と、特にSNS縦型動画が牽引すると見込まれています。
一方で、2025年には日本国内で
広告メール送信に関する規制強化・スパム対策の進展
インターネット広告・販売に関する消費者保護規制の強化
が進んでおり、誇大・煽り広告や不透明なオファーはリスクが高まっています。
含意:
DRM的な強い煽りや、短期的な“釣りオファー”は法的リスクとブランド毀損リスクがともに高まるフェーズに入っています。
コンテンツの専門性・透明性・長期関係構築を重視する方針は、規制トレンドとも整合的です。
3-3. コンテンツマーケティングの実情(日本)
日本企業を対象にした2025年のコンテンツマーケティング調査では、次が示されています。
65%の企業が「コンテンツマーケ戦略を持っている」と回答(前年75.6%から減少)
96.7%が「ストーリーテリングは少なくとも中程度は重要」と評価
マーケティング予算のうち、コンテンツに最大25%を配分している企業が多数派
55%が何らかのコンテンツ制作を外注(動画、ライティング、翻訳が上位)
主な課題は「一貫した制作」「リソース配分」「多様なフォーマット対応」「差別化ストーリーの構築」
含意:
コンテンツ戦略の「ある・なし」よりも、実行リソースと品質&一貫性の担保がボトルネックです。
あなたのように長尺コンテンツ(ポッドキャスト、Udemy、オーディオブック)を資産として回せるプレイヤーは、企業の“中の人”が絶対に真似できない領域を提供できます。
4. AI × 個人ビジネス/中小企業マーケの最新動向
4-1. 日本の中小企業におけるAI導入の実態
複数の公的・民間調査を統合した2025年時点の状況は以下の通りです。
中小企業全体のAI導入率は5.1〜15.7%程度と見られる一方、特定地域・特定サンプルでは42.3%という高い数字も出ている。
従業員10人未満の企業では、生成AI導入率が10%以下という調査もあり、超小規模ほど遅れが目立つ。
一方、静岡県を中心とした111社調査では、5人以下企業の50%がAI導入済みという結果も出ており、「意思決定スピードが速い小規模企業は一気に導入する」二極化が起きている。
AI導入企業の95.7%が生成AI(ChatGPT, Claude, Copilotなど)を活用しており、議事録作成(46.8%)、データ分析・レポート自動生成(29.8%)、マーケティング・SNS・広告最適化(23.4%)などが主用途。
効果については、94%が何らかの効果を実感している一方、投資額が大きいほど満足度が下がる「投資過多パラドックス」も報告されています。
含意:
「高額のAI導入プロジェクト」より、まずは生成AIを既存のワークフローに組み込むライトウェイト導入が、費用対効果の観点からも有利です。
コンサルタントとしては、「人がやるべき判断」と「AIに任せる単純作業」の線引きを一緒に設計する価値が大きい。
5. 副業・ソロプレナー・クリエイターエコノミーの最新潮流
5-1. 日本の副業トレンド:当たり前化する「複業キャリア」
2018年の「副業元年」以降、副業容認企業は急増し、2025年に入って流れはさらに加速。
副業を始める理由の1位は「収入を増やしたい」(54.5%)、2位は「1つの仕事だけでは生活が成り立たない」(38.2%)。
20代では60%以上が「副業を前提としたキャリアビルディング」を志向しており、「キャリアの選択肢を広げる」「独立・起業の準備」が主な動機となっています。
2030年までに日本の副業市場は1.5倍に拡大すると予測され、2025年のトレンドはAIツール活用、専門職化、ストック収入が中心と指摘されています。
また、2025年7月にはTikTok Shopが日本で本格稼働し、在庫なし・顔出し不要・スマホだけでできる副業といったコピーが溢れ始めています。
ただし、こうした“今っぽい副業”は短命化しやすく、長時間労働を強いるケースも多いと警鐘が鳴らされています。
含意:
情報発信者としては、「TikTok無在庫転売」といった一過性・プラットフォーム依存の副業と、
あなたが提唱されているような専門性×コンテンツ資産×ファンベースによるストック型ビジネスを明確に対比して見せると、差別化がしやすいフェーズです。
5-2. クリエイターエコノミー:広告報酬から「事業オーナー」へ
グローバルのクリエイターエコノミー動向では、次がキーワードになっています。
2010年代の「インフルエンサー」から、2020年代は**「クリエイター=事業オーナー」**へ。
クリエイターのAI利用率は**91%**に達し、編集・アイデア出し・分析にAIをフル活用。
一方で、年収10万ドル超のクリエイターは**全体の4%**程度にすぎず、多数はプラットフォームのアルゴリズムと報酬体系に依存して不安定な状況。
そこでトレンドになっているのが、
自社ブランド・D2C商品の立ち上げ
有料コミュニティ・メンバーシップ
オンラインスクールやサブスク型ナレッジサービス
独自アプリ・ホワイトラベルの配信プラットフォーム
といった「コミュニティをプロダクト化するモデル」です。
含意:
これらは、すでにあなたが実践されている「Udemy・Audible・Kindle・ポッドキャストによるストック収入モデル」と極めて相性がよく、
「日本語圏のソロプレナー/クリエイターに特化した、事業化支援コンサル」のポジションは、世界的トレンドとも整合します。
6. 日本のネットユーザーの「ファン化」行動とソーシャルメディア
6-1. 日本のSNS×ECの現在地
2024〜25年の日本のSNSとECの関係を俯瞰すると:
日本のSNS利用はLINE, X(Twitter), Instagram, TikTok, YouTubeなどに分散し、年齢層ごとに顕著な棲み分けがある。
ソーシャルコマース売上は2024年に約400億ドル規模に達すると予測されており、今後も拡大見込み。
一方で、「SNS上で直接商品を購入したことがある」日本人は35.1%にとどまり、多くは依然としてECサイトや実店舗で購入している。
購入後にブランドをフォローする意欲は「どちらともいえない(5/10)」が最多で24.3%と、熱狂的フォローよりも、程よい距離感のブランドとの付き合い方を選好する傾向が見られます。
含意:
日本市場では、「ライブ配信でその場で爆売れ」よりも、
コンテンツの質と長期的な信頼関係づくり(レビュー、事例、ストーリー)がファン化の条件になりやすい。
炎上リスクの高い過激表現より、“落ち着いた専門家ポジション”が中長期で効きます。
6-2. パーパス・ストーリーテリングの重要性
2025年の日本市場向けパーパスドリブン・マーケティングのガイドでは、次が指摘されています。
日本の消費者は、SDGsや社会貢献を掲げるだけでなく、具体的な数値目標や実績(例:プラスチック廃棄を何%削減したか)を求める。
若年層はジェンダー平等などの明確な社会的メッセージに共感する一方、高齢層は伝統・品質・安心といった要素を重視するため、メッセージングには世代間の調整が必要。
目的指向のキャンペーンは、一歩間違えると「パーパス・ウォッシング」として炎上しやすく、日本のメディア環境ではネガティブな反応が拡散しやすい。
含意:
「ファン化集客」を掲げる個人ビジネスにとっても、
自身のビジネスの存在理由
クライアントの変化や成功事例
自身の働き方・生き方に関するスタンス
を、コンテンツとして透明に語り、数値や具体例で裏付けることが、差別化要因になります。
7. コンサルタントとしての実務的インプリケーション
あなたのようなWebマーケ&ビジネスコンサルタントが、これらのトレンドをどうクライアント支援に落とし込めるかを整理します。
7-1. 戦略レベルでの提案軸
「ソーシャル発見 → 安心できる深いコンテンツ → スムーズな購入」の3ステップ設計
SNS上での“発見”はショート動画・カルーセルなど軽めの接点。
そこから深いブログ・ポッドキャスト・長尺動画に誘導し、疑問や不安を徹底的に潰す。
決済導線は「LINE公式+決済リンク」「ショップ機能」など、ユーザーが慣れたチャネルで完結できるように設計。
「低予算でも回る改善プロセス」の設計支援
年間100万円未満の予算がボリュームゾーンであることを前提に、
月次で追うべきKPI(リスト増加数、コンテンツ数、コンテンツ別売上など)
生成AIを使ったレポート自動化
3ヶ月サイクルの仮説検証計画
をテンプレート化して提供すると、“予算はないが改善したい”層への価値提案になります。
「AI×コンテンツ」の実装サポート
生成AIを「ライター代わり」にするのではなく、
リサーチ
アウトライン作成
要約とリパーパス(ポッドキャスト→ブログ→メルマガ)
に限定し、最終の構成と表現は人間が担う方式を標準にする。
これにより、品質を維持しつつ制作本数を2〜3倍に増やせることを、事例ベースで示せると説得力が出ます。
7-2. 個人ビジネス向けの具体的アドバイス軸
「AI×専門性×ストック収入」の三位一体設計
専門性:既存の職業(医師・カウンセラー・講師など)のプロフェッショナル知見
ストック:Udemy、Kindle、Audible、オンライン講座、会員制コミュニティ
AI:
コンテンツ企画(質問集の生成、構成案)
録音・インタビューの要約
コンテンツの別媒体展開(Podcast→記事→SNS)
を組み合わせるモデルを明示し、「TikTok転売」系の流行り副業との差を具体的に言語化するとよいでしょう。
日本の消費者特性を活かした「安心設計」
大きな買い物前には必ずネットでリサーチする日本人の行動特性を踏まえ、
FAQ・事例・比較表・返金ポリシー・プロフィールストーリーを充実させる
レビューやお客様の声をテキストだけでなく音声・動画で提示する
こうした「検討材料」の厚みが、短期的なLPのコピーライティング以上にCVRを押し上げる日本独自の土壌があります。
「マイクロコミュニティ×長尺コンテンツ」でファン化
世界的なトレンドとして、マスなインフルエンサーよりもニッチなマイクロコミュニティが購買を動かしています。
あなたが得意とされるブログ・YouTube・ポッドキャストは、まさに**マイクロコミュニティの“母艦”**です。
コミュニティ化のステップ例:
無料の長尺コンテンツで「思想」と「メソッド」を深く共有
メールマガジンやLINEで1対1コミュニケーション
有料の小規模コミュニティ(少人数ゼミ、勉強会、実践塾)へ自然に移行
8. 今後6〜12ヶ月でウォッチすべきテーマ
最後に、次回以降の「毎回違う情報」アップデートのために、今後注視しておくとよいテーマを挙げます。
日本におけるAI検索・AIショッピングアシスタントの浸透度
すでに世界では72%が「今後AI検索を買い物に使う」と回答。日本で同様の調査結果が出てくれば、SEO・コンテンツ戦略の前提が変わります。
国内向けソーシャルコマース(特にTikTok Shop・Instagramショップ・LINEミニアプリ)の事例
現時点で日本人のソーシャル上での直接購入経験は35.1%ですが、TikTok Shop本格始動以降の数字変化に注目。
日本の中小企業に対するAI導入支援施策・補助金の動き
AI市場は2028年までに2.54兆円まで4倍成長する予測があり、国・自治体の支援策も拡充中。
これに紐づけた「AI×Webマーケ導入コンサル」のパッケージ設計が有効になり得ます。
個人事業主・フリーランス比率や所得推移、日本版クリエイターエコノミー統計
自営業者比率(約9.7%)や、国内クリエイターの所得分布が見える統計が増えれば、ポジショニングに活かせます。